リリース情報

シモーン・ホワイト「やきいも」
SIMONE WHITE
やきいも
シモーン・ホワイト
『Yakiimo』
2009-07-15
CD
PCD-93261
¥2,415
原盤レーベル: Honest Jon's
歌詞付 対訳付 ※対訳:染谷和美
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カレン・ダルトンの再来と謳われ、若き日のジョニ・ミッチェルにもなぞえられる、ハワイ出身・カリフォルニア在住の女性シンガー・ソングライター、シモーン・ホワイトによる待望の新作アルバム!

遠い記憶の底から聞こえてくるような懐かしい呼び声。ある冬の夜、石焼き芋売りの軽トラックから流れてくるあの声を耳にしてえもいわれぬ郷愁を覚えたという、シモーンの日本ツアー中の実体験から生まれた表題曲「やきいも」をはじめ、それぞれが鮮やかな情景を喚起する12曲を収めた、はかなくも美しい傑作小品集。

一度聴いたら耳を離れないシモーンの柔らかで小気味いいフレージングと、彼女自身の繊細なフィンガーピッキングに導かれたフォーキーでブルージーなサウンドには、完全に時代を超越してしまったかのような心地よさがある。

ヨーロッパを中心に高い評価を受けた前作『I Am The Man』(2007) ――日本でも知る人ぞ知る名盤として話題になり、2007年12月には初の来日公演も実現した――と同じく、マーク・ネヴァーズ(ラムチョップ、キャレキシコ他)によるナッシュヴィル録音。ロンドンのラドブローク・グローブにある同名のレコード・ショップがデーモン・アルバーン(ブラー)と共に運営する超優良レーベル、Honest Jon's からのリリース。

本作は、シモーン・ホワイトのオネスト・ジョンズからは2枚目となるアルバムである。前作『I Am The Man』と同様、ナッシュヴィルでマーク・ネヴァーズによってプロデュースされた『やきいも』は、より音数を切り詰めたフォーク色の強いサウンドになっている。雰囲気はほろ苦くノスタルジックだが、失われた愛、失われた無垢さ、失われた年月に(時には子供のように)ぼうっとして思いを馳せながら、憧れと幻想と希望のスパイスも効いている。ハイロンサムなフィドルや見事なギター・ピッキングが印象的な必要最小限のアレンジは、ブラジル音楽やポルトガルのファドで表現されるサウダージにあたる情感をアメリカーナの中に見出している。際立って中心的な位置にあるのはシモーンの美しいヴォーカルと素晴らしいソングライティングであり、全11曲のうち4曲が彼女の友人であるフランク・バンゴとリチー・ヴェセキーによる書き下ろしの新曲で、7曲がシモーン自身によるものである。

*シモーン本人による曲目解説

このアルバムに入っているフランクとリチーの曲には共通点がたくさんあって、それは憧れというテーマの一部でもある。特に「オリヴィア 101(学校での片思い)」と「ユア・ストップ(昔の恋人が忘れられなくて、地下鉄の駅に足繁く通う)」。「キャンディ・バー・キラー」は、10代のパーティーでの惨めな出来事を歌っている。「バニー・イン・ア・バニー・スーツ」も子供のようだけど、歌詞は思春期の(そして大人になってもあてはまる)自我のぎこちなさについてのもののようだ。

「ヴィクトリア・アン」は、私の友人であるヴィクトリア・ウィリアムズのために書いた曲。一緒にツアーをしていて、彼女の子供時代の話を聞いた。具体的に言うと、彼女と友達が「霧男」と呼んでいた、蚊を退治するためにマラチオンを散布しながら街中を走るトラックの後ろに付いて、大きくてふわふわした「雲」の中で自転車を乗り回していたお話。

「ベイビー・ライ・ダウン・ウィズ・ミー」――この曲は何度も書き直して変わっていったんだけど、もともとはカーソン・マッカラーズの『心は孤独な狩人』を読んでいた時に着想を得た。思春期の痛々しい感覚にまつわる何かが出発点だった。でも、最初は悲しい曲だったのが、ある日、別のカーソン・マッカラーズの本、彼女が自分の創作について語っているものを読んでいた時に、彼女は、登場人物について書き、彼らを導く人生を決めてしまう神のような立場になるというようなことを言っていた。それを読んで私は急に「彼らには幸せになってもらわなきゃ」と思った。それで、この曲ももっと呑気で楽しいものになり、登場人物たちも離ればなれではなくて一緒になっている。

「やきいも」は日本語で、石で焼いたサツマイモのこと。私は1年ほど前に、恋人と日本に行った。下田という小さな港町にいたある夜、私たちは不気味な音、礼拝の呼びかけのような奇妙な歌を聴いた。それは謎めいていた。その後、鎌倉でのライヴを終え、日本の主催者たちと歩いている時に、私たちはまたその声を聴いた。私はすごくわくわくして、声の主を見つけ出すんだと言い張った。主催者たちは面白がっていた。というのもそれはただの焼き芋売りで、冬になるとホクホクのサツマイモを売りながら走っている、珍しくもない軽トラックの男だったからだ。彼らはそこらじゅうにいて、みんな一度聴いたら忘れられない同じ歌を歌う。とはいえ、それぞれ微妙な違いはあって、録音を流すものもあれば、生で歌うものもある。私は列車の駅への道すがら、ずっとその歌を歌い続け、皆を笑わせた。私はそれを題材にして曲を書くんだと言った。1年後、ついに私は曲を書き上げた。この曲は、その飾りのなさとエモーションの中にアルバム全体のテーマを封じ込めていると思う。

「ア・ガール・ユー・ネヴァー・メット」――人生に疲れて死にたいと思っている年長の友人について書かれた曲。

「ウィズアウト・ア・サウンド」――これは破局についての歌。恋愛が刻一刻と終わりに向かっている時のことを事細かに綴っている。

「トレイン・ソング」は子供のためのカウンティング・ブック(数を数える本)にインスパイアされて出来た曲。

「レット・ザ・コールド・ウィンド・ブロウ」――これは私のカントリー・ソング。

「セントルイス・ブルース」――私の祖母がステージでよく歌っていた曲。彼女は私が小さかった頃、低いしゃがれ声でこの歌を私に歌ってくれた(ステージの上でもそういう歌い方だったのか、ただ私と一緒に遊んでいただけなのかは分からない)。

  • DISC 1
  • 1. Bunny In A Bunny Suit
  • 2. Candy Bar Killer
  • 3. Victoria Anne
  • 4. Baby Lie Down With Me
  • 5. Yakiimo
    Sample_music
  • 6. A Girl You Never Met
  • 7. Without A Sound
  • 8. Train Song
  • 9. Your Stop
  • 10. Olivia 101
  • 11. Let The Cold Wind Blow
  • 12. St. Louis Blues